体操部の思い出
友達と入部した体操部。指導する先生も体操について知識があるわけでもなく、事故がないよう見てるだけ、という感じでした。ただ運動部に所属したいだけの私にはありがたかった。
最初はとにかく基礎体力作り。外周ランニングしてストレッチ、筋トレして終了!でも4月は1ヶ月くらいずっとひどい筋肉痛でした。だいたいこんなに腹筋とか腕立て伏せとかしたことないし!当時の私は155cmで45kgでした。まあ平均的な中学生の体型です。オリンピックに出るような体操選手であれば大きすぎますが、そんなの目指してないし、そもそも目指したところで無理だし!
私はここで毎月目標を立てて部活に取り組むことにしました。
*毎月新しい技を一つできるようにする
これはある程度基礎体力がついてから先輩が少しずつ体操の技を教えてくれます。最初は「倒立前転」倒立して数秒停止してからそのまま前転するという技。今なんて絶対できないけど、当時はまだ体も軽いし(お尻も今ほど重くない)恐怖感もないので、比較的すぐできるようになりました。これは普通の体育の授業でも習いますよね?
さて、次は倒立してから数秒静止してブリッジをし、そのまま立ち上がるという技です。これはなかなかできませんでした。ブリッジまではできるんだけど、そこから立ち上がるのがコツがつかめず。腹筋もある程度必要だと思うのですが、逆上がりと同じでコツですね。1回できれば次からは何の問題もないですが、それが難しい!
毎日毎日それこそ立ちくらみ起こしながら練習してました。
そして5月最終週!できたのです😆ふわっと浮き上がる感じで。
一緒に入部した友達が一番喜んでくれて本当に嬉しかった。私でも頑張ればできるんだ!って。でもこれまぐれじゃないよね?もう1回できるかな?と恐る恐るトライしてみるとなんのことはない、すっと立ち上がれました。
すっかりコツをつかんだのです。鈍くても自転車と同じで体って覚えるんですね。
6月にチャレンジしたのはブリッジ倒立と似た技。
足を開脚して倒立し、そのまま片足ずつついて立ち上がる。これはブリッジで立ち上がることができれば何の問題もなさそうなんだけど、これまたできなかった・・・。
片足では立ち上がれず、横に倒れること数百回。もう無理か〜。でも地味でしつこい私。ひたすら練習してました。6月30日「これで最後!」と決心して挑んだマット。できました!この時も何か引っ張られているような感じ。神様は見捨てないんだ〜。
勢いに乗った私。7月は更に難しくなっていきます。
立ったまま体を反ってブリッジをして、その形のまま足を蹴り上げて元に戻る、という「逆ブリッジ」という技です。これはコツもありますが、かなり身体能力も求められます。柔軟性はもちろん腹筋や背筋も必要です。ブリッジまでは問題なく立ったままできるのですが、何度思いっきり足を蹴り上げてもまたブリッジまで戻ってしまいます。
他の新入生の子たちはどんどんできるようになっていきます。4月の入部以来、一番最後まで技ができずに取り残されるのは私。でも今までも必ずできていたんだから、大丈夫!と妙な自信。そして7月最終日、私はまだできずにいました。友達にどこが悪いのか見てもらい「もうできてるよ。自分でダメだと思って戻っちゃうからだよ。」との指摘。そうか!体の動きに任せればいいんだ!と頭に血がいってる状態でずっと逆ブリッジの練習。でももう部活も終わりの時間、よし!これで最後!と取り組んで足がもう真上の180°からこっち側にきて「あ!できる!」と思った瞬間、神の手?ぐいと引っ張られて私の足はあっち側の地面についてました。
一瞬何が起きたか分からず???そう、見かねた先輩が補助してくれたのでした。でも私としてはもうできる感覚があって、しかも毎月ひとつずつ技を達成していたのに、あとちょっとのところでそれを台無しにされたなんて!友達も何も言えず申し訳なさそうな顔で私を見ています。私も先輩に対してぶち切れることもできずに「ありがとうございます。」と言ったけど、あれは今でも悔しかった。
で、それ以降私は「逆ブリ」は一度も成功していません。トラウマ。
〜後日談〜
2年生になり、後輩ができました〜。生意気なやつばっかり。一人運動神経抜群な子がいて、先輩たちがやっている技を真似していたらいきなり「逆ブリ」できてました。それを見て、私は人間どんなに頑張っても天性のものがあるのだなぁと実感したのでした。